日誌

自然科学部が福島大学教授 岡田 努 先生にご指導を頂きました。

2016年6月15日 07時57分
ユネスコスクール

 6月14日(火)に、先週8日(水)に講演会をしていただいた福島大学総合教育研究センター教授 岡田 努 先生に再びお越しいただき、USCの1年生や自然科学部を対象に、放射線に関する実験のご指導を頂きました。
 
 特に盛り上がったのが、本校自然科学部でも研究している土に還るプラスチック、生分解性プラスチックを用いた実験。何もしていないプラスチックは熱湯につけると柔らかくなり、どろどろになり、手で伸ばすと切れてしまいます。ところが、放射線の一種であるベータ線を高強度で照射すると、プラスチックの強度があがり、伸ばしても切れなくなってしまいます。しかも、伸ばしたプラスチックをお湯につけると元に戻る(!)という性質も持つようになります。
 放射線は健康被害が大きく取り上げられていますが、このように有効に使うことで私たちの生活を豊かにすることができます。福島県民として、放射線を多面的に理解し、その上で付き合い方を選択していくことが大事な事ではないかと考えています。

 今回使用した教材は、その特殊な加工法ゆえに少々値が張るものとなっています。こっそり値段を教えていただいたこともあり、実験するたびに「これで○○円分使った」、余りを頂いた際に「○○円分ゲットだぜ」...人生お金は非常に大事だが、それがすべてではないぞ少年たちよ。

福島大学 教授 岡田 努 先生 による講演会を実施しました。

2016年6月12日 21時18分
ユネスコスクール

  6月8日(水)に1学年188名を対象に、「放射線教育の現状と課題 ―これからのストーリーを考える―」を実施しました。

  まず、南相馬市出身の大学院生が制作した動画を見ました。


  「空き地は3次元のキャンバスのよう」という言葉がとても印象的で、これからの福島を自分が作っていくのだという若者の強い意志が感じられました。

  続いて、放射線に関する基本的な知識に関する講義が行われました。昨年同様「水1リットル中に含まれる1ベクレルの放射性セシウムはどれくらいなのか。」「内部被曝とは?」といった疑問をわかりやすく説明してくださいました。

  最後に、「現在も福島に残っている課題」、「自分がなりたい職業」、「その仕事で福島の課題解決にどの様に貢献するか、またはどの様な福島を作っていきたいか」を考えて記述し、他の生徒にインタビューを行うワークショップを実施しました。とても難しい内容であったにもかかわらず多くの生徒達が一生懸命考え、書いてくれました。
  

  現在の福島を、そしてこれからの福島と未来の自分を考える機会を、これからも設けていきたいと考えています。
 

安達高校からネパールへ

2016年5月10日 17時22分
ユネスコスクール


「いわきおてんとSUN企業組合」様からの、
「福島からネパールへ応援メッセージを送ってほしい!」
という要望に応えるため、4月28日(水)に私たちユネスコサポーターズクラブが集合し、
3年生が中心となって、プロジェクトの説明会を行いました。


今回のプロジェクト・・・それは、

“ネパールに応援メッセージを送ろう!”大作戦です!!



・・・ということで、メッセージ作成が始まりました。
英語で文章を考えたり、デコレーションしたりと、個性あふれるカードとなりました!

最後は3年生がまとめ、無事完成させることができました。



私たちの応援が少しでも現地の人の力になればいいと心から願っています。



N.K & H.A

太陽光パネル制作会を実施しました。

2016年5月8日 20時54分

  2016年5月7日(土)に自然科学部3名が、これまでもパネル制作会やLEDソーラーライトの設置と本校の取り組みに厚くご協力を頂いている「いわきおてんとSUN企業組合」を訪問し、太陽光パネルを制作してきました。

  今回は研究・実験用に0.5Vのソーラーパネルを4枚接続したパネルを制作しました。1年生も参加しており、2年生が仕組みや作り方を教える一幕も見ることが出来ました。自分たちで制作した太陽光パネルを用いてさらに研究を進めていくことと思います。

 

  5月10日には大地震の復興支援でネパールへ発たれるという大変お忙しい中ご指導いただいた「いわきおてんとSUN企業組合」の皆様、ありがとうございました!
  
  なお、今年発足したユネスコスクール活動クラブ「ユネスコサポーターズクラブ」のメンバーがネパールへの応援メッセージアルバムを作成し、いわきおてんとSUN企業組合の方にお渡ししました。その制作様子を近日アップしたいと思います。
  

日本大学 工学部 中野 和典 研究室を見学させていただきました

2016年4月4日 08時13分
ユネスコスクール

 土木工学の視点から持続可能な社会へアプローチする。日本大学 工学部 中野 和典 教授は「人工湿地」をキーワードに取り組んでいます。

 4月2日(土)本校自然科学部員3名が中野研究室を見学し、研究のお話を伺いました。微生物が水中の有機物(ゴミ)を分解して水を浄化する際に発生する電気を取り出す「微生物燃料電池」や、5段に積まれた花壇を利用して、学食の排水を浄化する「ロハスの花壇」の話を聞き、本校で水素燃料電池を研究し、中庭の池の水質悪化に胸を痛める本校生徒はとても興味を抱いたようでした。
 「私にできることがあればなんだって協力するし、またいつでも遊びに来て下さい」という温かいことばを頂きました。甘えん坊の私たちなので、近日中に訪問させていただきたいと考えています。
 
 今回の見学会は京都大学の後藤先生からのご紹介により実現しました。人のつながりが持つパワーをわたしは勿論、生徒も実感していることと思います。高校生のうちからたくさんの研究者の話を聞ける生徒達が本気でうらやましいなぁと感じる雨の朝でした。ちなみに、当日の昼食を学食食べようとした際に123円しぽっきりしかなく、危うく生徒にごちそうされるという寸前までいきました。近くにコンビニがあり、私の尊厳が守られたことにほっとしています。

JICAグローバルキャンプに参加しました。

2016年3月7日 11時24分

2/24(水)~26(金)、本校生徒10名がJICA二本松で行われた『JICAグローバルキャンプ』に、ふたば未来学園の生徒60名と共に参加しました。

3日間の研修内容は、以下にあるように多岐にわたっており、非常に充実した内容でした。
1.多種多様な講座(アジアプレス・インターナショナル代表:野中章弘氏、元JICAウガンダ専門家・ミスターネリカ:坪井達史氏、JICA職員による青年海外協力隊シュミレーション等)
2.ふたば未来学園の生徒達との交流
3.桑山紀彦氏による地球のステージ鑑賞
4.グループ発表、20秒スピーチ

今回参加したメンバーはアクティブラーニングを通して、多様な視点の重要性、メディアリテラシー、世界各地の諸問題等を学びました。これからの持続可能な社会を目指し、解のない問いへ向けて、ESDの観点から実践的に学ぶことができたと思います。

JICA二本松の皆様、ふたば未来学園の皆様に感謝いたします。

生徒の感想より
「たくさんの言葉を聞いて、たくさん考えさせられた。世界の諸問題や外国での経験や人との出会いを聞いて、自分も人の役に立つことをやってみたい、いろんな人と出会ってみたいと思った。」
「自分が疑問に思っていたことに対して、多くのヒントを頂くことができた。」
「何よりふたば未来学園の生徒さんやJICAに関わる全ての方に強い刺激を受けました。」
「何に対しても一人では何も出来ないと感じました。」

JICA二本松HPにも活動が紹介されています。ぜひご覧下さい。

福島ESDコンソーシアムにて生徒が発表を行いました

2016年2月29日 14時51分
ユネスコスクール

 2月20日(土)郡山市中央図書館で行われた第1回福島ESDコンソーシアム成果発表会(主催:法政大学)が開催され、本校からはESD Food Project のメンバーが参加しました。JAみちのく安達やななくさ農園を訪問したり、自分たちで農業について調べたりしたことで見えてきた後継者問題、そしてその問題を解決するために自分たちにできることについて精一杯発表しました。

  
 
 生徒達の発表は安達高教員による活動報告の後でした。がちがちに緊張した教員を見たことによって(?)緊張がほどけたのか、堂々とした発表をしてくれました。一方で発表のしかたや内容に関して多数の修正点が見つかりましたので、7月の公開ESD校内発表会へ向けて改善していきたいと考えております。

LEDソーラーライトを設置しました

2016年2月29日 09時33分
ユネスコスクール

 1月に自然科学部4名が太陽光パネルを製作したことは本HPで報告した通りです。その際にお世話になった「いわきおてんとSUN企業組合」の協力を得て、2月26日(金)にその時製作した太陽光パネルを活用したLEDソーラーライトを設置しました。

 設置場所は西昇降口前です。校舎内の消灯後は手元が見えないほどに真っ暗でした。今回設置したライトは、生徒達が作製した太陽光パネルが昼間充電した電気で夜間点灯します。 
  
 
いわきおてんとSUN企業組合のみなさま、お忙しいところありがとうございました。安達高校は今後とも地域事業者様とのつながりをいかした教育活動を行ってまいります。

 ちなみに、設置に際してポールを立てるための穴を1m掘る必要がありました。寒い中自然科学部の女の子二人、粘土質の土や途中に現れる石、そして周囲からの生暖かい視線に負けることなく堀りきりました。次は男子にやっていただこうかと思っています。

「エネルギー教育賞」(電気新聞社) 優秀賞を受賞しました!

2016年2月8日 17時06分
ユネスコスクール

  電気新聞(一般社団法人 日本電気協会新聞部)では、エネルギー教育の実践に取り組む学校現場を応援する顕彰制度として、2006(平成18)年度より「エネルギー教育賞」を実施しています。「エネルギー教育賞」 は、エネルギー教育の実践活動に取り組んでいる小学校、中学校、高等学校および高等専門学校(高専)等を広く募集し、優れた事例を顕彰しています。

 
 第10回目となる今回、安達高校のESD活動の一環として行っている再生可能エネルギーに関する取り組みが評価され、全国2位に相当する「優秀賞」を受賞しました。
 本校は様々な大学や地域事業者の方々と連携して活動に取り組んでいます。この場をお借りして、本校の教育活動に携わっていただいた関係者の方々、そして本校の取り組みに理解を示し支援していただいている保護者の皆様に、感謝申し上げます。

京都大学・滋賀大学の講師陣による出前授業を実施しました

2016年2月8日 16時04分
ユネスコスクール

「大学の先生による研究についての講義」
  このフレーズから、みなさんはどのような講義を想像しますか?
「難しくて理解出来なそう?」「興味の無い分野だったら聞きたくもない?」「途中で眠りそう?」
高校生の頃の私ならば、このように考えたような気がします。

  ですが、実は研究のプロセスがそのまま社会で求められている力だとしたら?研究と勉強の違いのような今更聞けないようなことを説明してくれるとしたら?しかもその研究の始め方、進め方を体験出来るとしたら?きっと高校生の私でも身を乗り出して話を聞いていたと思います。
 今回お呼びした研究のプロ集団、「チームGANTT」による特別授業およびワークショップは、まさにこれらの事をそのまま実践してくださいました。

  1月29日(金)、「チームGANTT」コアメンバーである 京都大学大学院工学研究科 後藤 忠徳 准教授、同大学院理学研究科 常見 俊直 講師、同大学院農学研究科 内藤 啓貴 氏、滋賀大学教育学部 安藤 哲郎 講師 の4名をお迎えしてユネスコスクール特別講座
  (1) 2学年理系クラス特別授業 : 複数教員・文理融合型講義「物理を使って京都を探索しよう」
  (2) 自然科学部・有志生徒対象ワークショップ : 「社会で問われる!課題のみつけかた・解決の仕方~研究のプロはこうしている!~」
の2点を実施しました。

 特別授業は2学年理系クラス計82名を対象に、題名の通り、修学旅行に訪れた京都を題材として行われました。(それぞれのクラスで50分ずつ実施しました。)
 「なぜ京都は1200年間も都であり続けられたのか」の問に対し、農学の専門家は京野菜に着目した理由を、地理の専門家はそもそも都として1200年間続いていたのか、という意見を、物理の専門家はバネの運動に例えた説明をそれぞれ行いました。
 講師陣同士や、講師陣と生徒間のやりとりを通して、1つの問に対して様々な角度から切り込むことができる、ことを生徒達は学びました。
 
  そして特別授業の最後に「勉強」と「研究」の違いについて熱く語っていただき、大学は「研究」を行うところである、ということを伝えました。(その違いについては、チームGANTTの種明かしになってしまうので内緒です。気になる方は、来年度も実施しますので、是非参観にいらしてください。)

  

 特別授業後のワークショップは、京都大学の4年生でも頭を悩ませる「研究テーマ設定」・「研究計画作成」に焦点を絞り、生徒自身が研究テーマを考え、計画をたて、そしてみんなの前で発表するという取組を行いました。
 
  大学生でも戸惑うくらいですから、生徒達は始めから戸惑いっぱなしです。全くグループで話し合いが進みません。ですが、そこはさすが研究のプロ集団、「身近で気になるものは?」「こんな研究がされているんだよ。」等様々な的確なアドバイス(でも決して答えを言ったり、生徒の考えを誘導したりするものではありません。あくまで生徒自身からアイディアがでるようなアドバイスです。)で生徒から楽しいアイディアをたくさん引き出し、大盛況のままワークショップを終えることができました。
 
  ワークショップが終わった後に生徒達が帰らずに、講師陣を捕まえて質問攻めにしている光景が理科教員の私にとってとても印象深かったです。(僕の授業じゃこうはならないなぁ...と思いつつ)

  

 是非、来年度以降も継続して実施し、生徒達の中に眠る、勉強だけでは終わらない、人生につながる科学的思考力を刺激していきたいと思います。
 「チームGANTT」の皆様、遠方はるばる豪雪の中本当にありがとうございました。

 
 ちなみに、生徒達から出た研究アイディアで講師陣にヒットしたのが、「カメと話すにはどうしたらよいか。」「電気ウナギで発電するにはどうしたらよいか。」というテーマでした。夢のような話かもしれませんが、「チームGANTT」某N氏は特に前者の研究について、「カメに特定の刺激を与えて、その時の行動を観察して膨大なデータを集めて統計を取って...」本気で研究計画を立てていましたよ(やってくれませんけどね(笑))。研究のプロって本当にすごいですよ。

日誌

ネパール大地震義援金

2015年6月4日 16時50分
ユネスコスクール

過日、ユネスコスクールの一環として福島民報教育福祉事業団にネパール大地震の義援金 33,154円 をお届けしました。本校の生徒が発起人となって学校全体に義援金を募ったものです。現地の被災した方々への復興支援となることを祈念いたします。

ユネスコスクール


ESD大賞を受賞しました
 

           
全国約650校のユネスコスクールの中から、ESD(持続可能な開発のための教育)への取り組みが評価され、グランプリとなるESD大賞を受賞しました。


県内初ユネスコスクールに認定


 本校では平成24年度より、震災からの復興や未来の在り方について考える「復興教育」に取り組んでいます。このような中、平成24年12月に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「ユネスコスクール」に認定されました。県内の幼小中高大を通じて認定されたのは初めてとなります。ユネスコスクールとは、国際理解や人権尊重、持続可能な発展などユネスコが提唱する理念を、教育を通じて目指す学校です。世界181か国で9000校以上が認定されており、日本の認定校は平成25年1月現在、41都道府県で550校となっています。

 大震災後4年が過ぎました。今でも生徒が被った傷は決して癒えてはいませんが,子供という最も大切な存在を,心配の消えない環境下の学校に送り出さなければならない保護者・地域の方々が,さらに深い傷を負っていることを感じます。しかし,未来を創ろうと、前向きに努力する子供たちの様子は、多くの大人を勇気づけることになり、ひいては福島復興にも繋がっていくものと思います。安達高校の「復興教育」は、生徒自らが自身の人生を真剣に捉えながら、持続可能な未来を創造するユネスコの理念を中心に据えたユネスコスクールとしての活動を展開していきます。
 

    


【目 標】 
 1今後訪れる様々な物事に対して、力強く乗りこえる力を養う。
 2持続可能な将来のためには、知識や経験が必要であることを実感し、通常の学習の重要性を認識させる。
 3自分の人生や将来像を自分の頭で考え発信できる表現力を養う。

【教育内容】 
 放射線対策教育
  福島県が置かれている現状を認識する必要があることから、「放射線対策教育」を実施。まずは、放射線、放射性物質、放射能の意味、内容を学び、安達高校における放射線量を把握する。さらに、福島県復興のために高校生ができることや、、その社会的な影響力について学習を行っている。
 再生可能エネルギー教育
  外部講師(大学や企業等の専門家)を招き、地球温暖化の現状とその原因について講演をしていただく。また、こうした状況を改善するための1つとして、再生可能エネルギーの必要性について学んでいる。
 持続発展教育(ESD)
  様々な国際機関と連携し、世界的な視点で地球の現状や将来像を考え、持続可能な社会を目指すための学習を行っている。
 交流学習
  アジア諸国のほか、アメリカやフランスの高校生との交流を行い、広い視野や、解決しなければならないたくさんの課題を共有し、改善策について考えている。


    
【ESD防災アジア次世代リーダー    【OECD東北スクール】       【日韓中高生フォーラム】 
   国際ワークショップ】
 (文部科学省・公益財団法人ユネスコ・ (OECD・文部科学省・福島大学主催) (文部科学省・大阪府立大学主催)
 アジア文化センター主催)